一名から数名程度など対象者が少ない場合にも用いることができる。
  100名を超えるなど多くの対象者についてのアンケート的調査にも用いることができる。
  言語的資料の「要約」における、意味内容の軸構造を見いだすことができる。
  そうした軸構造を参照しながら、より的確な「解釈」を行うことができる。
    
 グラウンデッド・セオリー分析 (Grounded Theory Analysis)は、木下による修正版(Modified G.T.)という発展形が出たことから、すでに次の段階に移行しつつあること、また、解釈学的現象学的分析 (IPA: Interpretative Phenomenological Analysis)は、イギリスの関連学会が15-20例以上のケースを含まない投稿論文は受け付けない姿勢であることから、少数事例の研究方法とはいえなくなりつつあります。また、15-20例という事例数は、適切な統計的手法を用いれば検定によって有意な結果を得ることも期待できる範囲にあるため、IPAによる質的研究とともに統計的アプローチの導入も視野に入れるべきともいえます。 [English site]  
      
「関連性評定質的分析による逐語録研究 ― その基本的な考え方と分析の実際 ―」  
◆ 分析の実際についての解説 ◆  
      
             
      
      →  
      
      
      
このサイトで紹介していく質的アプローチ KH法「関連性評定(に基づく)質的分析」は、従来、KJ法によって進められていた方法を理論的および
実際的技法の両面から見直すことによって組み立てられています。
      
↓ 
      
      
        
          
            
              逐語録などの主に言語的資料をカード化する。 
              カード布置の第1段階
              
              
              意味内容の極めて似たカードがあれば重ねておく。 
              意味内容のよく似たカードがあればそばに寄り添わせておく。 
              そうした作業を進めていき、それ以上、重ねたり寄り添わせる余地がなくなった時点で、グループ形成の最初の段階を打ち切る。
               カードグループに、その内容を適切を表すラベルをつける。 
               
              
               カード布置の第2、第3,…段階 
              
              ラベルがついたカードグループは、そのラベルで代表してあたかも一枚のカードのように扱う。 
                             
              
              
              意味内容の極めて似たカードやラベルカードがあれば重ねておく。 
              意味内容のよく似たカードやラベルカードがあればそばに寄り添わせておく。 
              そうした作業を進めていき、それ以上、重ねたり寄り添わせる余地がなくなった時点で、グループ形成を打ち切る。
               形成されたカードグループに、その内容を適切を表すラベルをつける。 
               
              カードのグループ形成とラベル付の作業を、必要に応じて何回か段階を上げて実施する。
	 カードやラベルカードについての集約作業がおおむね集束した段階で「カード布置」作業を終わる。            
                                    
                                    論文(葛西,2008) をご覧ください。
 カードとラベルの対応関係を表す{1,0}からなる「対応表」を作成する。 
              その対応表を「林の数量化理論V類」によって分析する。 
              その対応表を「長田の形式概念解析」によって分析する。 
             
 数量化理論V類 はしばしば類比的に「質的因子分析」と呼ばれることがあり、ラベルの相互関係をいくつかの
次元軸上
に位置付ける方法です。また、長田博泰氏(札幌
学院大学社会情報学部社会情報学科教授)によって開発されている「形式概念解析  (意味的な構造の「要約モデル」 を、
より的確に提起す
ることができます。↓
            
            
               「関連性評定質的分析
の実際
について」  「文中の数量化理論V類による図についての補
足」 (追記 3/14,2008) 
                  
                    
                      
                      「実
際について」 例 「質的アプローチについての
感想は?」 
↓
                      
                      ↓ カー
ド間の関連性評定に基づくカード布置の例 
                      *これはあまり良いカード集約の例ではないですが、とりあえず、この集約を例として使うことにします。このカード集約の問題点は、カードのラベル付けが「類似性」の範囲に留まらず、ラベル間の関係を意識してしまい、そこに「因果関係・推移関係・条件関係」などの要素が加わっているためです。その結果、ラベル付けに解釈の要素が強く感じられます。本来、そうした「解釈」は軸の分析を終えた後にする方が良く、カード集約のラベル付けではそうした方向に走らないようにする必要があります。(追記 10/6, 2012) 
                      ↓ 
 カードやラベルの「カード布置」からの以下の「対応表」を作成する。 
                      
                      ↓ 対応表を数量化V類で分析する。 ↓ 
                      対応表を形式概念解析によって分析する。 
                      
                      →[形式概念解析サイト]  
                     
                   
                
                   
             
         
      
       
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      「関連性評定に基づく質的分析」サイト