元・札幌学院大学臨床心理学科教授 葛西俊治

[紀要・論文-2021] [UK activities]

葛西俊治「身体心理療法」2009-2010
〜イギリス通信〜

ダンスセラピーと舞踏 

1. イギリス ダンスムーブメント・サイコセラピー協会(ADMP UK)
2. 身体指向的心理療法による統合失調症への効果
3. 医学的に説明されない症状(MUS)への身体心理的アプローチの効果
4. ミラー・ニューロンの発見による身心研究の加速
5. 自閉症の子供とロボットとのミラーリング

6. ケリーの構成的心理学:日本に入ってこなかった共感的心理学
7. イギリスの認知行動療法および「マインドフルネス」
8. ロンドン・モーズレイ病院でのヒーリング・アート・プロジェクト
9. オーセンティック・ムーブメント集中体験 (トルコ)
10. ヨーロッパ・アートセラピー・コンソーシアム

11. 舞踏ダンスメソドの論文 札幌学院大人文学会紀要
12. ケンブリッジの「ソーシャル・インクルージョン・サービス」でのワークショップ指導
13. オーセンティック・ムーブメント集中体験 (ケンブリッジ)
14. ケンブリッジ身体心理療法センター(Cambridge Body Psychotherapy Centre) (3/13,2010追加)
15. ケンブリッジ フルボーン病院・アート・セラピーチームへのワークショップ指導 (3/14,2010 追加)

16. オーセンティック・ムーブメント 週末ワークショップ参加 (3/14,2010追加)
17. リガ (ラトビア)でのダンスセラピー・ワークショップ指導 (3/27,2010追加)
18. タリン (エストニア)でのダンスセラピー・ワークショップ指導 (3/28,2010追加)
19. 番外 ロンドンの「フロイト・ミュージアム」 (3/28,2010追加)
舞踏ワークショップおよび舞踏ダンスメソド

1. イギリスでの舞踏と舞踏ワークショップ雑感
・Oxfordと舞踏と
・舞踏50周年 ロンドン舞踏フェスティバル
・ロンドン 晩秋の早朝舞踏ワークショップ!
・オックスフォード・ブルックス大学 EJRC 舞踏ワークショップ

2. Barcelonaでの舞踏ワークショップ
3. Rotterdamでの舞踏ワークショップ


  1. Helen Payne教授 は、ADMP UK (Association of Dance Movement PsychoTherapy UK)の中心人物の一人として、ダンスムーブメント・セラピーを「サイコセラピー」として位置づける展開を行いました。そして、いわゆる医療的ダンスムーブメント・セラピーの領域に積極的に展開させる動きをしており、心理療法領域と医学領域において一定の地盤と研究費獲得の基盤を確立させつつあります。

    • 同協会は2010年から、イギリスの「健康専門職協議会 Health Professions Council」による承認を受け、認定専門家団体として活動することが2009年5月に確定しました。(関連する資格も病院などでの公的資格となります。イギリスのダンスセラピスト資格に関心のある方はメールでお問い合わせ下さい)

      *注意:2015年に修正を加えました→

      2015年の6月、NHK札幌の若いディレクターから連絡があり、ダンスセラピーの取材を申し入れてきました。朝の番組に載せられるような情報を集めているとのことでした。
      そのディレクターさんは、ありがたいことに私のこのサイトをあらかじめて見ていたのですが「2010年に、ダンスムーブメント・セラピストがイギリスの病院などで働く公的資格になったという記述について調べていたけれども、該当の情報が出てこない…」とのご質問。
      5年ぶりにあわてて調べてみたら、確かにイギリスのDMP(Dance Movement Psychotherapist)と日本の厚生労働省にあたるNHS(National Health Service)の間に、2010年頃にそうした大きな動きがあったことを示す情報に巡り会えませんでした。
      あわてた私は、当時、イギリスでお世話になったハートフォードシャ大学のHelen Payne教授ら、ダンスムーブメントサイコセラピスの方にメールを書き送り、関連の情報を知らせてくれるようにお願いしました。

      いろいろな情報が寄せられてきましたが、「健康専門職協議会 Health Professions Council」が2004年、2008年にDMP-UKの団体を承認する(このあたりの表記が曖昧でした…)ということは分かりましたが、このことが直ちに、「イギリスの国レベルでNHSがDMPが認めた」ということには直ちにつながらない事情が分かってきたのでした。
      ということで、大変に申し訳ありませんが、「公的な資格として受け入れられた…」といった表現は書きすぎだったと分かりました。5年後の遅きに失しましたが訂正したいと思います。大変に申し訳ありませんでした。

      ※なお、こうしたやりとりの中で、いろいろと新しい情報や展開を知りことになりましたので、疑問を呈してくれたNHK札幌の若いディレクターさんには感謝しております。


      ・統合失調症の陰性症状の緩和に、Body PsychoTherapy(BPT)が有効であることを示した、Dr.Frank Roehricht,et al(2011)の研究に触れました。このドクターとはイギリス滞在中に、Helen教授のところで何回も話をする機会があった方で、このことについてはすでに書いています。

      "Therapeutic processes and clinical outcomes of body psychotherapy in chronic schizophrenia - An open clinical trial" Frank Roehricht, et al. , The Arts in Psychotherapy 38 (2011) 196-203.

      ・「医学的に説明されない症状 MUC (Medically Unexplained Symptoms)」に対する、Helen先生らの取り組みがさらに進展しておりました。The Body/Mind Approach : TBMA (C)として、そうした患者さん達に有効であることから、NHSはそうした活動に財政的な支援をしているので、現在ではこうしたアプローチが必要な患者さん達に提供できるようになってきていること(Helen教授からの私信)。
       ※MUCとされる患者さん達については、どのような人を含めてどのような症状の人を含めないかという判定が極めて重要です。この点は、Dr.Frankが関わって医学的にきちんと位置づけをしていました。(2009)
       
       いわゆる身体表現性障害という症状は、医学的にその原因が見いだされないにもかかわらず、本人は身体的な苦痛や悩みにさいなまれるものですが、これとMUSとの関係についてもう少し食い下がっておけば良かったと感じています。

      以上。(7/3, 2015)

      ※2015年に追加した上の部分は

    • ロンドンにて開催されたADMP UKの年次集会(6/27)にて、舞踏ワークショップの指導を依頼されました。20名ほどの参加者で、舞踏の下意識的な動きに対しては特に「authentic movement」との類似性を指摘する声が多くあり、そうしたレベルにわたってDMPが行われていることを確認できたのが一番の収穫でした。(6/28,2009追記)




  1. 精神科医のFrank Rohrichit教授 は特に統合失調症の専門家として、こちらの大学院教育のカリキュラムに身体指向的心理療法(BPT Body oriented PsychoTherapy)を展開させることを推し進めています。

    • F. Rohricht and S. Priebe 2006
      「身体指向的心理療法が統合失調症の陰性症状に及ぼす効果:
      無作為化による統制の試み」2006
      (試訳)

    • この論文は方法論、分析方法、統計的分析その他においてほぼ完璧なアプローチに基づいて、ダンスセラピーによる効果の一端を証明することに成功した画期的な論文です。アメリカのダンスセラピーが精神科病棟での効果によって発展したわけですが、そうした歴史的事実を再確認したともいえます。これまでの類似の研究は方法上にいくつかの限界をもっていたため、ダンスセラピー効果の実証にやや弱かったのに対して、この論文にはそうした欠点はありません。
      ただし、ダンスセラピーの実施に際して、指導内容のばらつきを抑えるために指導を一人のダンスセラピスト(Helen Payne教授)に限定しています。これにより安定した効果が証明されたのですが、その反面、「他のダンスセラピストでも同様の結果が得られるかどうか」という疑問の余地はあります。
      しかし、Rohricht教授によりマニュアル化されたダンスセラピー・セッション(ペイン教授は大変に欲求不満だったようですが(^_^;)の内容は、日本のダンスセラピストの方でも特に問題なく再現できる内容と考えられるので、実際上はそれほどの問題ではないともいえます。
      なお、この論文では「ダンスセラピー」ではなく「身体指向的心理療法」と表記しています。2007年にイギリスの協会が自らの名称を「ADMP: Association Dance Movement Psychotherpya ダンスムーブメント・サイコセラピー協会」と改称して「心理療法の一つである」と明示したので、現時点では「身体指向的心理療法の一つであるダンスムーブメント・サイコセラピーによる」と理解して良いでしょう。(6/28, 2009追記)



  1. H. Payne and H. Murdoch 2009
    「医学的に説明されない症状をもつ人への身体心理的アプローチ」(英語パンフ)

  2. "The Body Mind Approach for Those with Medically Unexplained Symptoms"

    •  Hertfordshire大学で行われた二日間の集中セミナーには、イギリス3名、イスラエル1名、ブラジル1名、ドイツ1名、トルコ1名、日本1名の合計8名(男性は私だけ。若手三名、五名は熟年以上)での集中的なセミナーでした。おおむね、クリニカル・サイコロジスト(日本でいう臨床心理士)および/または、ダンスセラピストや数年がかりで資格取得中の人もいましたが、いずれも臨床心理的セラピーや身体心理的アプローチを現場で行っている人たちでした。
      (一緒に指導予定の先生が事情により担当できなくなったため、Helen Payne教授が二日間、奮闘していました。)
       初日に10分程度の短い時間でオーセンティック・ムーブメント(AM: Authentic Movement)を用いて、自分自身の何らかの「身体症状」についてふれる場面がありました。私の相手はトルコから人でしたが、非常に的確に私の動作をとらえていて、そこからイメージしてくれたものも含めて、このところ私自身が問題にしていることが明確に身体的に出現していたことに驚くとともに、的確なサポートに感謝するばかりでした。
       全体的な印象としては、メンバーはいずれも身体心理的な把握力の的確さとともに「暖かさ」(無条件の肯定的配慮…)が伝わってくる人たちだったことと、ヘレン先生はオーセンティック・ムーブメントの実践家・研究者ですが心理カウンセラーとしても的確な把握力があり(当然…)、関係性も含めて非常に豊かなセミナーとなりました。そういう身体心理的セラピーの専門家に対して、「医学的に説明されない症状をもつ人 M.U.S.」に対して、どのようにセッションを進めていくか…という実際がセミナーの内容でした。

      [研究]
       医療機関では身体的な疾病としての診断を得ることが無く、しかし本人は長い間、身体症状に苦しんでいる…。アメリカやイギリスではそうした人はかなりの人数に上り医療的な経費が相当な金額となっている実態が説明されました。ダンスムーブメント・サイコセラピー(イギリスでの位置づけ)を中心にした身体心理的アプローチ(ヘレン先生らによる)が極めて有効であり、なかには長年の身体症状が減っただけではなく消えてしまった人たちもいた…という事実は驚くべきものがあります(身体心理的変化指標として二つの検査紙を使用)。これに関する論文はすでに数点書かれていて順次出版される予定。
         Helen Payne "Pilot study to evaluate Dance Movement Psychotheray (the BodyMind Approach) in patients with mededically unexplained symptoms: Participant and facilitator perceptions and a summary discussion" Body, Movement and Dance in Psychotherapy, Vol.4, Issue 2, August 2009 pp77-94
       
      [実践]
       そうした人たちを対象にした身体心理的アプローチについては今後、実験的な取り組みを進めていくことを考えています。関心のある方は下記の詳細をご覧下さい。(7/16, 2009)

       
    • Helen Payne "The Body Mind Approach (BMA) to psychotherapeutic group work with patients with medically unexplained symptoms(MUS): A review of literature, description of approach and methodology for a pilot study"
      European Journal of Psychotherapy and Counselling, Vol.11, No.3, 287-310, 2009
      これは2006-2007年に書かれた先行研究で先日出版されました。(11/28, 2009追加)




  1. 1990年代後半の脳研究においてミラーニューロン が発見され、その後、感覚・意識・他者・関係・動き…をめぐる学問的革新が一挙に展開しています。その中で、ミラーリング(相手の動きに合わせて動く)といったD/MT技法に象徴されるように、身体・動き・ダンス・関わりを基軸にもつダンスムーブメント・セラピーが神経心理学・認知科学・意識科学・現象学などの領域から新たな関心を集めています。





  1. 自閉症の子供とロボットとのミラーリング (6/19,2009)

    • "Effect of repeated exposure to a humanoid robot on children with autism"
      「自閉症の子供へヒト型ロボットを繰り返して呈示することの効果」

      Ben Robins博士はPayne教授が指導した教え子の一人(ダンスセラピー)で、ロボタというロボットを遠隔操縦して自閉症児とミラーリングをしたら基本的な社会的技能の強化になるのでは…という主旨の博士論文。よく身体を動かしながらにこやかに話す人でした。

      ロボットに会ってきました!! 「自閉症の子供とロボットとセラピスト」という三者関係の中で、ロボットとのミラーリングなどを通じてセラピストとの関係がしていくなどの交流の中で社会的関係化が促進されていくのがよく分かりました。





  1. 構成的心理学 constructive psychology:
    日本に入ってこなかった共感的な心理学的アプローチ(6/28, 2009)

    • こちらの心理学の博士課程の指導も担当しているDr.David Winter教授は、costructive pyschology (創始者 George Kelly「パーソナリティ・コンストラクト理論」)を専門としています。
      ―「我々を取り囲む現実とは、そのままの形で受け取られるばかりではなく,人々が考えつく限りのさまざまな解釈の仕方に従うもの」として、人は世界をある仕方で解釈して構成して生きている=つまり「性格」として現れる…)
      ひどく感心したのは、これまで会ったどのカウンセリングの人よりも、共感的というか存在の基軸に寄り添う感じの人だったことです。イギリスでの連続殺人犯やアフリカ・シェラネオネでの虐殺や手足切断といった悲劇を体験した人たちの話をそのままに受け取る…。ショックでした。"credulous"(そのように信じ込む)というキーワードが印象的でした。
       なお、こちらの大学にはこの構成的心理学の研究所があり、世界的な中心の一つ(といってもこの流れそのものは衰退化しているようですが…)として活動しています。機会があればもう少し理解したいと思っています。




  1. 認知行動療法とマインドフルネス(mindfulness)について雑感 (7/16,2009)

    •  イギリスでは心理療法といえば「シービーティー」(Cognitive Behaviral Therapy)、すなわち、認知行動療法となっています。ラジオの普通の番組でも一般の人が「CBT何々」と話していたり、列車の中でもシービーティーという言葉が聞こえたりして、かなり一般的になっています。その反面、クライエントに対してどうも杓子定規にその手法を使っていることが多いらしく、功罪なかば…という印象です。
       身体性を組み込んでいるこちらのダンスムーブメント・サイコセラピー(DMP: Dance Movement Psychotherapy)から見ると(ヘレン先生の理解も含めて)、シービーティーは身体性に関する要素を欠いているアプローチと見ています。ここ数年、心理療法関係の論文などにマインドフルネスという言葉が良く出てきていたので、20-30年以上前に瞑想とか禅とかの東洋思想に関連して出てきた言葉がまた登場してきた理由を知りたいと思っていました。

       その理由の一つが、指示的で言語優位という現行の認知行動療法の限界を感じた人たちが、その内容を拡大するために「認知行動療法におけるマインドフルネス」という使い方をしている場合があり、その流れが一挙に拡大しているようで「マインドフルネス何とか」という論文が数多く出てきています。
       日本の臨床心理学では、ロジャーズ流に丁寧にクライエントの話を聞き取る「積極的傾聴」「共感的了解」云々が伝統的に維持されていますが、イギリスの認知行動療法はそうした内容を喪失してしまい、その反省からの動きともいえるようです。(これについてはもう少し具体的に把握したいと思っています)

      *ロンドンのモーズレイ病院の敷地内にイギリスの精神医学と臨床心理学の総本山といえる精神医学研究所(Institute of Psychiatry)があります。私はそうした知の殿堂を横目に、メンバーさんと粘土をこねたり絵を描くとかしていましたが、ここにイギリス心理療法の状況について書いておきます。
      なお、MPI(モーズレイ・パソナリティ・インベントリー)という検査はアイゼンク(Eysenck)がこの病院で作り上げたものです。





  1. ロンドン・モーズレイ病院でのヒーリング・アート・プロジェクト

      ロンドンのモーズレイ病院(Maudsley Hospital:イギリスでもかなり古い方の精神科病院、1923年設立)に行っています (MPI:モーズレイ・パーソナリティ・インベントリーはこの病院で誕生しました)。Healing Art Research TeamのマネジャーをしているLalaさん(作業療法師)のお誘いでした。本人はクンダリーニ・ヨガの指導者のようですが、粘土をコネながらいろいろと話をしてきました。(詳細は後日(^_^v)



      病院の患者さんなどに関わることは詳しく書けませんが…「ヒーリング・アート・リサーチ・チーム(1)」




  1. オーセンティック・ムーブメント集中体験 (8/28-9/1 トルコ)

      Helen Payne教授による五日間の「オーセンティック・ムーブメント集中体験」がトルコの地中海側のひなびた景勝地で開催されました。参加者は心理臨床や精神衛生やソーシャルワークなど援助職の人かそれに類する経験者という限定で、定員10名に対して9名参加。トルコ4名(AM資格訓練生、精神分析家、音楽療法+イルカ療法士、精神衛生関係+レイキマスター)、ドイツ1名(AM資格訓練生+精神福祉領域)、オランダ1名(ゲシュタルトセラピー)、スロベニア1名(シアター関係+心理領域)、イギリス1名(ヒーリング・アート系)、そして日本からの私(男性一名)。
      Authentic Movement Residential(プログラム)

      "The body as container and expresser"by Helen Payne
      in "About a body" Routledge 2006 オーセンティック・ムーブメント解説論文
      男性の参加は極めて珍しいらしく、かつて、参加した男性も途中で帰ってしまった…とかいろいろあったようですが、私は他に行くところも無く(^_^;、みっちりオーセンティック・ムーブメント集中体験を堪能してきました。特に、トルコの一人とドイツ人はいずれもオーセンティック・ムーブメント資格取得中で、今回のトレーニングでATの指導者という資格を得るという状況もあり、いろいろと体験を深めることができました。
       → オーセンティック・ムーブメント体験についての解説 (9/5,2009)
      ちなみに、ロンドン・Gatwick空港からの飛行機は二時間遅れの出発でAntalya到着が午前三時過ぎ…。真っ暗な空港からタクシーで町中を抜け山坂を走ること90分以上。到着した海岸線沿いには会場のホテルはなく真夜中にドライバーはうろうろと探し歩く。ふと頭上を見上げると満点の星空!初めて見る南の国の星座の姿に感動しました。
      昼間は35-40度。暑い!のですが、セッション会場はクーラー完備のため、逆に呼吸系に問題をかかえる私はいずれにしてもつらい時間帯を過ごすことになりました。オーセンティック・ムーブメント体験そのものは十二分に体験できましたが…。みなさん、体験は若い元気なうちにしておきましょうね…しみじみ。
      ちなみに「working English」程度の英語力が必要とされていましたが、実際は全員、ネイティブ・スピーカあるいは欧米系大卒以上という英語力でした。ゆっくり話してくれると分かる私の英語力ではタジタジという場面が多々ありました。英語の勉強もみなさんこつこつとしておきましょうね…しみじみ。




  1. 第10回 ヨーロッパ・アートセラピー・コンソーシアム (9/16-19,2009 ロンドン)

      ECArTEという略称で呼ばれる「ヨーロッパ・アートセラピー・コンソーシアム」は、ヨーロッパ14カ国、32の専門家団体から構成される連合体で、アートセラピー、ダンスセラピー、ドラマセラピー、ミュージックセラピーの四領域を含んでいます。正規会員となる団体は、国レベルでの資格制度をもち有資格者の教育・養成を行っているという条件があります。ECArTEは、資格制度の充実・専門的セラピスト養成教育課程の充実、ヨーロッパ全体でのアートセラピーの統一的な展開を理念にして1991年にスタートした連合体で、隔年で大会を開いています。
      ECArTE (European Consortium for Arts Therapies Education)公式サイト
      ECArTE 第10回大会プログラム

      2009年の第10回大会は幸運なことにロンドン開催ということを知って、発表を申し込みました。以前にも日本からの発表者があったようですが、私のワークショップ・実技に基づく発表も幸いにも採用され、9/17に90分の時間枠で行われることになりました。
      発表タイトル
      "Sense of Safety and Security for Artistic Works Nurtured by Meditative Butoh Dance Movements"
       「瞑想的な舞踏の動きによって養成される、アート的活動のための安心と完全の感覚」」

      配付資料
      "Some experientially obtained points for nurturing the sense of safety and security"
       「経験的に得られた、安心と安全の感覚を育成するための要点」

      ロンドン大学のスピーチ&ドラマ学科(The Central School of Speech and Drama)で開催されたこの大会には30カ国ほどから参加していたようです。日本からは私の他に「あれ? どうもどうも!」と、福岡からマニシアさんが参加していて「折り紙によるダンスセラピー」実技発表となっていました。
      参加者は概算で200-300人ほどにもなったと思います。4日間の大会は非常に充実した内容で、ダンスセラピー、ドラマセラピー、アートセラピー、ミュージックセラピーのワークショップ形式の発表、論文発表形式、ポスターセッションと盛りだくさんでかつ内容の濃い大会でした。
      *参加者は基本的にそれぞれの国レベルで「セラピスト」と認定される修士課程以上を経ている専門家ばかりでした。そうした公的な課程がまだ存在しない日本の話をするときはつらいものがありました。

       ダンスセラピーについては、ペイン教授のところで博士論文を提出したばかりのスペインのダンスセラピストが、オーセンティック・ムーブメントの形式を用いた「スーパービジョンの方法」を実技形式で発表していたのが非常に印象的でした。  
       ちなみに,私のワークショップ形式での発表には、参加登録25名までとなっていたのですが、会場がややひろかったので登録者全員を受けいれたところ、会場を埋め尽くすほどの人数(約50名)となりました。あまりスペースを必要としていない「腕の立ち上げ」レッスンが中心なので何とかなりましたが(^_^;;。この大会は、必ずしも身体的な要素を中心にしているわけではない他のアートセラピー領域の、ミュージックセラピスト、アートセラピスト、ドラマセラピストも多く参加していたことから、身体性と意識・無意識に関わる私のワークショップは大変に好評だったようです。
       余談ですが、イギリス・ダンスムーブメント・サイコセラピー協会(ADMP UK)の前執行部の一人、ジオフリーさん(数少ない男性メンバーの一人)の話によると、数年前に痛めてかつて動かせなかった腕・肩・首の後遺症の部位が、今回の「腕の立ち上げ」レッスンの中で突然、痛みなくほぼ完全に動かせるようになったと少々興奮しながら話に来てくれました。そうした嬉しい話も聞きながら、たった一回の実習で「腕の立ち上げ」レッスンの効果をそこまで引き出した人が居た…という事実の方に驚きました。…世界は広い、凄い人がいるものだと、またしみじみ思った次第です。  


  1. 舞踏ダンスメソドの論文 (英文)

      Toshiahru Kasai
    • "New Understandings of Butoh Creation and Creative Autopoietic Butoh -
      From Subconscious Hidden Observer to Perturbation of Body-Mind System"

      Bulletin of Faculty of Humantities, Sapporo Gakuin University No.86, 21-36, 2009 (in press)


      英文「舞踏創造についての新たな理解と創造的でオートポイエティックな舞踏
      ― 下意識の「隠れた観察者」から身心システムの摂動まで ―」
      札幌学院大学人文学会紀要 No.86,21-36, 2009 (印刷中)

      要約
      本論文は、舞踏の本質的創造性を定位するため、心理学的概念として「隠れた観察者」「ミラー・ニューロン」「心身の多重制御システム」「アフォーダンス」を取り入れ、それと同時に精神運動的要素として「精密な動き」「バタフライ効果」「システムの摂動」「拮抗的運動」を取り入れることによって、「身体心理的な探索のための舞踏ダンスメソド」についての1999年の論文を発展させたものである。自我中心的ではなくオートポイエティック(自己組織的)な舞踏についての議論において、「コレオグラフィー(振り付け)」「インプロヴィゼーション(即興)」といったデカルト的で二値的な主体・客体といった動作制御の考え方は、こうした新たな概念によって時代遅れのものとなった。精神科ディケアでのダンスセラピーセッションを含む長年にわたる舞踏についての実践的アプローチは、ユング的な意味での著者自身の個性化原理の過程であるとともに、これらの新たな概念が身心探索的な舞踏において実践的な重要性をもつことを確認し妥当とするものである。


      Keywords:
      Butoh, autopoiesis, Hijikata, Ohno, performing art, creativity, psychosomatic, mirror neuron, somesthesia, dance therapy, posthypnotic suggestion, hidden observer, state bound memory, affordance, catastrophe, butterfly effect, chaos, perturbation, antagonistic movement, choreography, improvisation, primary process, individualization, Cartesian dichotomy, Noguchi Taiso

      キーワード:舞踏、オートポイエーシス、土方巽、大野一雄、パフォーミング・アート、創造性、身体心理、ミラーニューロン、体感、ダンスセラピー、後催眠暗示、隠れた観察者、状態依存記憶、アフォーダンス、カタストロフィー、バタフライ効果、カオス、摂動、拮抗運動、コレオグラフィー、インプロビゼーション、一次過程、個性化、デカルト的二元論、野口体操


  1. ケンブリッジの「ソーシャル・インクルージョン・サービス」でのスタッフ対象ワークショップ(12/1,2009)

    • ロンドンから北に2時間ていど列車で行くとケンブリッジ市に着きます(急行だと一時間)。そのケンブリッジで主に精神領域の問題をもつ人たちを対象にした地域サービスをしているソーシャル・インクルージョン・サービス Socail Inclusion Serviceというところで、スタッフを対象としたワークショップを依頼されました。
      日本の厚生労働省にあたるNHS(National Health Service)の活動の一環として、「ソーシャル・インクージョン」すなわち、精神科領域の問題をもつ地域の人たちを社会に「含める・一員とする」といった意味の活動で、精神科領域のいわば公的なディケア・センターといった活動をしているところです。ダンスセラピスト、身体心理療法の専門家や看護師さんなどのスタッフが、地域から訪問してくる人たちを支援する場になっています。ケンブリッジ駅にほど近く、民家を二軒分をつなげたような普通の建物がそのセンターでした。何だか目立たない瀟洒な喫茶店のような趣の入り口から入ると、中は明るく暖かく、いかにも「いらっしゃい!」という感じがする雰囲気のよい施設でした。…




  1. オーセンティック・ムーブメント集中体験(ケンブリッジ Buckden Towers)(12/2-7,2009)

    • オーセンティック・ムーブメント(authentic movement)とは、目を閉じて感じるままに動く体験をしていくムーバー(mover)とそれを見守るウィットネス(witness:目撃という意味)の二者関係の中で行われる身体心理療法的な構成・構造・アプローチ・セラピーを言います。この基本についてはすでに「オーセンティック・ムーブメント」トルコ編でふれたので、今回はそこであまりふれなかった点を中心に書いていくことにします。

      ハートフォードシア大学があり、私が住んでいるHatfieldという所はロンドンから北に30分。そこからさらに北のケンブリッジ方面に電車とバスで2時間程度の所にあるバックデン・タワー(Buckden Towers)という古城が今回の会場でした。季節はすでに12月なので、寒々とした写真を探したのですがないので夏版を載せていますが…。いつも曇っていて冷たい雨が時々降るこの時期のイギリスなので、季節性感情障害 SAD(Seasonal Affective Disorder)になるのは仕方がないと…。少しでも陽が射すとありがたく,そのため夏にはいつも肌を日にさらすので皮膚ガンの発生率がヨーロッパ諸国でもかなり高い…。なるほどと思えるのでした。
      私は研究室のヘレン・ペイン先生(ワークショップ主催者・指導者)が「一緒に車で行きましょう」と言ってくれたので、カウンセラーでダンスセラピストの中年の先生と一緒に車に乗せてもらったので楽ちんでした。ただし、途中で会話に花を咲かせるヘレン先生は話すたびに助手席の私の目を直視したがるので,高速運転の最中は危なくて危なくてハラハラし通しでした。私は人の目を見るのが得意ではないので目を合わせないでいると、ヘレン先生は私の目を見ようとしていつまでもこちらを見ている…という悪循環も一因でした。少し反省…。文化差だし個人的な習性だし仕方ないのですがねえ。

      buckdentowers.jpg(6231 byte)



  1. ケンブリッジ身体心理療法センター(Cambridge Body Psychotherapy Centre)

    • イギリスには、身体心理療法(Body Psychotherapy)を実践・指導・研究している中心的な研究所・センターが2カ所あります。一つはロンドンのChiron Association for Body Psychotherapistsで、もう一つがケンブリッジにあるケンブリッジ身体心理療法センター CBPCです。長年、身体心理療法の中心だった前者のChiron Associationはスタッフが高齢になり活動全体が疲弊してきたことから、近々「閉鎖する…」ように聞いています。ケンブリッジのセンターは、Gill Westland女史が長年中心になって運営しているもので、1/12(2010)にようやく訪問することができました。

    • センターはケンブリッジの中心から少し離れた所にあり、駅からタクシーで向かいました。すでに夕刻で暗くなるなか、2階建ての小さな建物がそれだと運転手に教えられました。小さな看板も出ていました。
      ピンポン…と鳴らすと、小柄な中高齢の女性が出てきてドアを開けてくれました。Gill Westlandとは男性だと勝手に思い込んでいた私は後で少々恥ずかしい思いをするのですが(^_^; 物腰の優しい穏やかな女性でした。その日も私とのインタビュー後は別の所用があるとのことで、びっしりのスケジュールで活動しているようでしたが、建物の中にあるレッスンルームを丁寧に紹介してくれました。

      大きな部屋が2-3室あり、ダンスセラピー的な動きを用いたセッションにも十分なくらいの広さで15-16畳もあるのでしょうか、低いソファと、マッサージ用のベッド(一般にマッサージや理学療法などに用いる治療用のもの)が一台置いてありました。穏やかな色調の部屋にクッションなどの柔らかいグッズが何気なく置いてありました。
      これよりも狭く10畳程度でしょうか、ベッドのないカウンセリング室の趣のものも4-5室ありました。建物やセッション用の部屋や廊下、すべてにおいて穏やかな雰囲気と、来訪者を大事に守ってくれるような雰囲気がありました。D. Winnicottの言う「(人を大事に)抱えてくれる環境 holding environment」を自然に実現しているようなたたずまいでした。こういう雰囲気とセラピストとの関わりの中でセッションが行われるのだなあ…と、あらためてセラピーということが単に2者が出会うと言うことだけではなく、そのための場所として長年にわたり培われてきたことを実感しました。


    • 2010年度からの新カリキュラム(札幌学院大学臨床心理学科)では、臨床心理学科がある大学ではたぶん日本初となる「身体心理療法」の科目が開設されています。私はこの新設科目を担当することになっており、そのためにもイギリスの身体心理療法の実情を学んでおく必要がありました。
      なお、科目名と科目の内容については、「身体心理学・身体心理療法」という二つの名称について学科のスタッフ間で議論がありました。前者の「身体心理学」は春木豊先生による著書により扱われているため、その内容を指導するものと理解される可能性がありました。しかし、臨床心理学科としては広義での「身体的な心理療法(Body-oriented psychotherapy)」についての講義がよりふさわしく、また私自身も講義内容も後者を想定していたため「身体心理療法」という科目名になったという経緯があります。

      特にイギリスのダンスセラピーは正確にはダンスムーブメント・サイコセラピー(DMP: dance movement psychotherapy)と表記されていて「身体的なアプローチを前提にした心理療法」という位置づけにあります。また、他の項目として書きましたが「医学的に説明されない症候群 Medically Unexplained Symptoms」の方を対象にしたダンスセラピー的なアプローチは、ダンスや動作を前提にしていない「身体的な体験を含むアプローチ」という意味で、単に「Body-Mind Approach: BMA」と呼ばれています。



  1. ケンブリッジ フルボーン病院・アート・セラピーチームへのワークショップ指導(1/27, 2010)

    • ケンブリッジにある精神科の Fulbourn病院は、1858年に開設した歴史のある精神科病院です。写真の建物はビクトリア調のメインビルディングですが,その周囲の広大な緑地のあちこちに様々な建物が分散して建っています。私が訪問したのは、アートセラピー・チームが精神科の治療を行っている平屋の建物でした。Silvanaさんというダンスセラピストは,長年そこで働いており、ヘレン先生のお弟子さんの一人でした。何度もメールのやりとりをして、ようやく双方の日程が合って訪問し、私のダンスセラピー的なワークショップをそこのスタッフを対象にして指導することになっていました。

    • フルボーン病院メインビルディング




  1. オーセンティック・ムーブメント 週末ワークショップ参加 (1/21-24,2010)

    • Helen Payne教授は、年に1-2回、トルコを含む海外でのワークショップの他には、近郊のケンブリッジや、今回、週末に開催されたように,ケンブリッジとロンドンの中間くらいにあるレッチワースという田舎(Letchworth Garden Cityと名乗っています)の小さな施設でもワークショップを開催しています。
      University of Hertfordshireがあり私が住んでいるHatfieldからは列車で30分くらい、前後の移動時間を入れても1時間程度で着くので、今回はアパートから通うことにしました。"Letchworth Centre for Healthy living"という小さな建物ですが、ありとあらゆる健康志向のイベント、文化的イベントを取り入れている施設で,その一室を使って、オーセンティック・ムーブメントのワークショップが開かれました。

      田舎の小さな施設で行われる4日間の小さなイベントなので、さすがに参加者も少ないのですが、内容は実に国際的で濃厚なものとなりました。オランダからセラピストの男女各一名、お茶の水大で医療人類学の博士号を取得したという韓国女性でロンドンのRoehampton大学でダンスセラピーの修士課程に属すサニーさん、爽やかにニューエイジ的な若い大柄な英国女性、オックスフォード近郊の街でゲシュタルト・セラピストとしてオフィスを構えている女性セラピスト…
      そして、言わずと知れた日本人高齢男性の私…。
    •   レッチワース・センター



  1. リガ (ラトビア)でのダンスセラピー・ワークショップ指導  (3/19-20,2010)

    • リガはラトビアの首都ですが、どこにあるのでしょうか?! それはバルト三国の一つなのでバルト海沿岸にあるわけですが,バルト海はどこにあるかというと…北欧とヨーロッパにはさまれた海がバルト海です。
      北欧諸国とドイツなどのヨーロッパとロシアの間にあって、中世から港で栄えて来た地域・国ですが,複雑な歴史をもっています。人口は230万人程度なので、札幌市の人口よりもやや多く、北海道を少し小振りにしたようなサイズの国です。

      今回、2009年度の年度末、イギリスでの一年間の留学研究の最後の月に訪問することになったのにはいろいろと事情がありました。首都のリガに住むシモーナさんという人から、一昨年から舞踏ワークショップを依頼されていたこと。2009年9月にロンドンで開催されたECArTE会議(全ヨーロッパのアーツ・セラピーの国際会議)に参加した際、ラトビアから参加していたインドラさんというダンスセラピストからもダンスセラピーのワークショップを依頼されていたこと。そして、次の項目に書きますが、同じバルト三国の一つとしてラトビアの北側にあるエストニアのダンスセラピストからも同様にワークショップを依頼されていたためでした。

       リガの「自由の記念碑」

      リガの中心街、札幌の大通公園的な所にある独立記念碑「自由への記念碑」(ロシアからの独立です:1991)、そこから徒歩で5分くらいの古めかしい7F-8F建てのビルのアパートの一室を提供されました。シモーナさん、かつてシアターの主宰者で演出家だった老人のモデリスさん、その娘さんなどが居住する空間でラトビアの質素な食事をいただきながら過ごしました。
      モデリスさんは英語をあまり話さないのですが、達者なロシア語なので、私のつたないロシア語には困り果てながらもそれなりに会話が進みます。ユーゲント様式というギリシャ風の彫刻をビル全面に施した建築物の話とか…。この辺りはシモーナさんによる英訳ですけれども。さて、四時間の舞踏を中心にしたワークショップと、ダンスセラピストなどの専門家を対象にした6時間の集中ワークショップとなりました。




  1. タリン (エストニア)でのダンスセラピー・ワークショップ指導  (3/21-22,2010)

    • 丁度良いタイミングで、エストニア出身の関取「把瑠都バルト」が大関昇進確実というニュースがYahooに載っていました。エストニアはバルト三国の中でもっとも北よりでロシアと接する国です。サイズもラトビアと似たようなもので小さな国ですが、それぞれ、強烈な自民族中心主義的な意識があり、1991年に他のバルト三国と一緒にロシアから独立を勝ちとった国です。

      イギリス・ハートフォードシア大学のヘレン先生が主催したケンブリッジでの「オーセンティック・ムーブメント」ワークショップ(2009年12月)に、たまたまエストニアのダンスセラピストのヘレーナさんが参加しており、その後のやりとりの中で、今回、ラトビア訪問後にエストニアでもワークショップ指導を依頼されたものでした。
      ヘレーナさんはタリン大学の「Institute of Fine Arts」の中にあるアート・セラピスト・コースを指導するスタッフで、今回はそのコースに所属する学生(学部およぶ修士課程)などを対象にワークショップを行うことになっていました。もちろん、他のスタッフや舞踏を習ったという人も数名参加しました。


    • ユーロ・バスに乗り遅れたので
      リガからタリンへ向かう AirBalticに乗る羽目に…



  1. 番外 ロンドン「フロイト・ミュージアム」 

    • セントラル・スクール・スピーチandドラマ(CSSD: Central School for Speech and Drama)という大学の一室で、私の舞踏ワークショップが毎週水曜日の夕方に開かれていました。全部で9回続いたワークショップ指導ですが、この大学から歩いて5分くらいのところに「フロイト・ミュージアム」があると知ったのは、例によって地下鉄が止まり会場に向かっていて歩いていて「Frued Museum」の看板を見つけたときでした。


      フロイドと娘のアンナ・フロイトが住んでいた住居が小さな博物館となっています。
      ロンドンではフロイドは癌との戦いの日々でした。

      Sigmund 1938-1939 Anna 1938-1982


      フロイドの書斎
      この周囲にある本棚には小さなフィギュア(人形や彫刻など)の
      コレクションがありました。
      考古学がフロイトの趣味だったのですが、
      コレクションを見るとまるでユングの書斎のようにも思えました。


      お土産品に「フロイディアン・スリッパ」が売られていました!



      二階建てバスでフロイト博物館からビクトリア駅に向かうバスの車内です。
      今回、私はロンドンの観光をほとんどしていない(^_^;)ので
      バスの二階から周囲の塀の中まで見えて楽しかったですよ!





visiting researcherとして下記にて研究しています。

(C/O) Professor Helen Payne,
303 Meridian House,32 The Common, Hatfield,
Herts AL10 0NZ, UK

School of Psychology,
University of Hertfordshire, UK


(C)Toshiharu Kasai, 2009-2010 All Rights Reserved.
無断転載をお断りいたします。